症状によっては耳鼻科で副鼻腔炎の手術も検討。
副鼻腔炎の症状別治療法
鼻は気道の入り口の鼻腔と、それに隣接する副鼻腔からなっていて、自然口という小さな穴で連絡しています。
副鼻腔には、上顎洞#篩骨洞#前頭洞#蝶形骨洞の4つがあって、これらの副鼻腔に炎症が生じることを副鼻腔炎と言うのです。
副鼻腔にかぜなどのウイルス感染#細菌感染が起こって発症するのが急性副鼻腔炎で、主な症状は痛みと鼻閉、鼻汁になります。
また炎症が発生する部位で痛む場所は異なりますし、炎症の程度によって発熱を生じるのです。
急性副鼻腔炎の治療は、基本的に抗生剤に加え消炎鎮痛薬、排膿を促す薬剤などを使用する保存的治療が行われますが、症状の経過によっては手術が必要となることもあります。
適切な治療を急性副鼻腔炎で行えば治癒することが多いですが、ちゃんと治療しなかった時や感染を繰り返した場合には、症状が慢性化して慢性副鼻腔炎になるのです。
慢性副鼻腔炎の治療は、一般的にマクロライド系抗生剤を少ない量で長期間使用しますし、粘膜の状態を改善する目的で消炎酵素剤や粘液溶解薬を併用することもあります。
ただ、数ヶ月薬物療法を行っても効果がない場合や効果が不十分な時には、内視鏡を用いて副鼻腔を鼻腔に開放する鼻内副鼻腔手術を行うのです。
また鼻茸や粘稠性の鼻汁を伴った副鼻腔炎は、手術を行ったとしても再発しやすいのですが、ステロイドを内服すると軽快します。
しかし長期間ステロイドを内服すると様々な副作用が起こるので、ステロイドだけではなくてその他の薬をうまく組み合わせて治療を実施するのです。
保存的治療で軽快しない場合は
このように保存的治療で軽快しない時には手術療法を実施しますが、手術経験者から副鼻腔炎の手術は痛いと聞かされている方も多くいます。
実際、少し前の副鼻腔炎の手術では、上あごの歯肉から切開しって骨を削って副鼻腔に到達するものが一般的で、副鼻腔内の病的な粘膜を広範囲にわたって摘出していたのです。
しかし、最近は自然口を内視鏡で広げて、周辺の病的粘膜だけを摘出する手術が主流で、以前の手術法と比較すると摘出範囲も少ないので、患者さんの負担もずいぶん軽減しています。
手術時間は、一側性か両側性かといった病気の広がりの程度で違いますが、大体約1~3時間で終わりますし、術後4日程度で出血が見られないと退院できるのです。
また軽症の副鼻腔炎なら日帰りか1泊2日程度の鼻内副鼻腔手術を実施するケースもあります。